左利き用のハサミを
おはようございます
こんにちは
こんばんは
これを読んでくださっているあなたは右利きですか?左利きですか?
ちなみに私は右利きです。
なので、日常生活において「右利きである」が故に不便を感じたことはありません。
母親が左利きなのですが、いろいろと困ることが多いみたいです。
ハサミや改札、マグカップ、デジカメのシャッターが押しづらいとか、まあいろいろ不便なようです。
「もう慣れたのよ」と母は言います。
「仕方ないしね~」とも言います。
「我慢我慢」と、言葉を漏らします。
子どもの頃の私は、こういった母の言葉に納得していました。
確かに、仕方ない、我慢しなきゃね、と。
でも、クソガキとクソオトナの間になった2018年9月の私は、本当に「そう」だとは思えなくなってしまいました。
「仕方なくなくない?」
「我慢しなくちゃいけないことなんてなくない?」
社会が「右利き用」に設計されているのは、「右利き」のほうが数が多いから。
数の少ない「左利きの人」用のものよりも「右利きの人」用のものを作ったほうが売れる。当たり前。
結果、数の少ない「左利き」は無視される。それはお金にならないから。
これって本当に仕方のないこと?
(ある程度は矯正可能とはいえ)生まれつき決定される「〇効き」によって不便を強要されることって本当に我慢しなくちゃいけないこと?
(ちなみに、左利きの人は右利きの人に比べて、不眠症やアルコール依存症、統合失調症などになりやすい傾向にあるらしい)
数が少ないが故に、不便を強いられ、高い疾病のリスクに晒される。
これを差別と呼ばずになにを差別と呼べばいいのでしょうか。
多数派が多数派にとって都合のいい社会を設計し、少数派は周縁へと追いやられる。
This is Sabetsu.って感じです。
もしも、左利きの人がこんな風に声を上げたらどうなるのでしょうか。
「左利きの人は苦しんでいる!社会のいろいろなところを右利きでも左利きでも生きやすい世の中に改善してくれ」
きっと、自称合理主義者からこんな声が上がる気がします。
「いや、数が少ないんだし仕方ないでしょ。我慢してよ」
「今更社会の構造を変えるとか無理だし、仮にできてもコストがかかりすぎる」
想像することがあまりにも容易です。
上の発言から本音を取り出すとこうなります。
「「私は困ってないから」」
自分が何もせずに獲得した権利を手放したくないのです。
その権利が、特定の属性を持っている誰かに対して抑圧的に働くものであったとしても。
当然、この「私は困ってないしそのままあんたらは我慢し続けてよ」現象は利き腕の話に限ったことではありません。
男女、セクシュアルマジョリティとセクシュアルマイノリティ、高学歴と低学歴、健常者と障がい者、etc....
いろいろあります。
「私は困ってないしそのままあんたらは我慢し続けてよ」はいくらなんでも醜悪すぎる本音です。
この醜悪さを隠すためにひどく不出来なオブラートが用意されます。
不出来なので、中身がすっけすっけです。
そして、そのオブラートには「合理性」という名前がついていることがよくあります。
「いや、数が少ないんだし仕方ないでしょ。我慢してよ」
「今更社会の構造を変えるとか無理だし、仮にできてもコストがかかりすぎる」
一見、合理的です。自分ではなく、社会全体のことを考えた発言のようにも聞こえます。
でもその実態は、醜悪な本音を「合理性」オブラートに包んだものに過ぎません。
繰り返すようですが、そこにあるのは結局「私は困ってないから」の精神。
中身が透けてるっつーの、お前が変わりたくねーだけじゃん、自分が苦労したくないだけじゃん、他人はどうなってもいいのかよ、という感じですね。
(もっと高品質なオブラートを用意してくれ)
でも、過度に合理化(資本主義化)が進んだ現代では、この「合理性オブラート」は一定以上の強度を持ちます。
そして、最大利益を獲得することを目的とする資本主義社会に暮らす人々にとって、絶対数が少なかったり発言力の弱い集団相手の商売というものはなかなかやりたくないでしょう。
だってお金にならないだもん。
そういった理由でたくさんの人々が切り捨てられています。
でも、それでも左利き用のハサミが無くていい理由にはならない。
それがないことで困っている人がいて、それがあることで助かる人がいるのだから。
じゃあ、誰が左利き用のハサミを作るのか?
それはきっと、これを書いている私と、これを読んで共感してくれているあなた。
一緒に、左利き用のハサミを作りませんか?
過度な合理主義に脳みそを支配されている奴らの鼻を一緒に明かしてやりましょうよ。
数が少なかろうが、力が弱かろうがハッピーに生きれる社会を作りませんか、一緒に。
部室であなたが来るのを待っています。
その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ。